「主を呼び求め続ける」

 「私は大学卒業後、出版会社雑誌編集部に配属されました。出版の仕事は3度の飯より好きなこと! 右も左もわからなかったけれど、毎日が新鮮でした。いただいた原稿を校閲し、あちこちに取材へ。当時はバブル景気のころで、編集部は活気がありました。締め切り前には残業も、時には徹夜もありましたが、充実した日々でした。ところが3年が過ぎたあたりから、雲行きがあやしくなりました。

 

人間関係での葛藤を抱えるようになり、そのストレスは体調に表れました。朝、起きられない。出社時間に間に合わず、昼過ぎにどうにか顔を出す始末。そのうち歩いて数分先の教会にも行けなくなり、逃げるようにして家に帰り休職しました。・・・家族はどうしていいかわからず、しばらくたって祈禱院に行きたいと言うと、喜んで連れて行ってくれました。 せっかくあこがれの仕事に就けたのに、編集どころかまともに出社すらできない。礼拝も守れない。情けなくて、自分は役立たずのボロ雑巾みたいだと、毎日泣いていました。ペンを持つことで献身していると自負していたのに、それができないことは苦痛でした。

 神様に聞いてみよう。仕事を辞めるべきか、続けるべきか、答えがほしくて、断食をすることにしたのです。結論が出るまで帰らない覚悟でした。

 日本人の先生に心の悩みを打ち明け、祈ってもらったときに『神様はあなたのことを、本当に愛しておられますよ。』と言われました。・・・神様はいい子ではないわたしを、責めておられる。何やっているんだと叱られると思い込んでいたのです。

 死にたいとまで思ってしまった、こんなわたしのことを心配し、愛してくださるだなんて!顔は涙と鼻水でグチャグチャでしたが、心はポカポカと温かくなりました。そして、スッと悟りました。『なんやわたし、神さまのこと全然知らんかったんや。』そうわかったとき、自分にとっていま最も大切なのは、立派な編集者になることではない。この方をもっと知ることだ、知りたい! 切実にそう思ったのです。・・・10年後に献身しました。

 牧師になってみると、書いて書いて、書きまくる日々。あの時、祈禱院で聞いたみことばは真実でした。

そうです、神様は御名を呼び叫ぶ者の声を、必ず聞いてくださるのです。人間は自分で用意した選択肢にこだわって、悶々と悩みます。 しかし、天からの答えは枠外、ぶっとびです。人が小さな頭で描く偏狭な道ではなく、愛と恵みに富んだ創造主が備えておられる道は、想定外なのです。そしてそれが、最善なのです。」  栄子師

 

「わたしを呼べ。そうすれば、わたしは

 

あなたに答え、あなたが知らない理解を超えた大いなることを、あなたに告げよう。」エレミヤ33:3