「本当の自分を知る」

摂食障害に悩むI子さんは社会人になり、過食と嘔吐を繰り返す生活をしていました。

子さんは小さい頃通った幼稚園が教会だったので、教会で聖書の学びをすることにしました。

聖書の学びが進むにつれて子さんは自分のうちに、それまで気づかなかった両親への特殊な感情があることに気がつき始めました。実は子さんの母親は、子さんが誕生した頃大病をし、その後の回復もおもわしくなく、寝たり起きたりの毎日でした。艶のない髪を束ねて暗い顔をして台所に立っている母親の姿を見るのが子どもながらに嫌であった。子さんの両親についてのイメージは病弱の母、その母を無視するようにして生活している父の姿であった。そんな冷たい父に抗議するように彼女は母親を愛しました。

必死になって『良い子』を務めていました。そして今、I子さんは摂食障害で「病弱の身」になり母親と同じ姿になってしまったのです。子さんが聖書を学ぶうちに心の中が映し出されていくように思いました。

 

子どもの頃病弱であった母親から受けることのできなかった愛情への渇き。両親の愛のない夫婦関係への絶望感などが自分の心の奥底にあることがわかってきました。そして、この感情が摂食障害に影響を与えているのではないかと思うようになりました。子さんはこの心の奥底にある感情が、聖書で言われる罪であることがわかってきました。自分の罪は「良い子」になって母を愛そうとすればするほど、小さい頃『母が自分を愛してくれない』という憎悪の念が罪であることを知りました。聖書を学び、本当の自分の姿を知った時、まず自分の罪を告白しました。そして聖書が教えているイエス・キリスト様がその罪の身代わりとなって十字架にかかられて罪を赦してくださったこと。そして3日目によみがえり、信じるすべての者に新しい命(永遠の命)を与えてくださることを受け入れたのです。

 

するとI子さんは、自分の心の中にある両親に対する憎悪の念から解放されて、摂食障害からも少しずつ解放されて行きました。子さんは本当の自分を知りました。それは、自分を創造し、この世に生かされているのは『私を愛し、私のために、ご自分の命を捨てるまで愛してくださったイエス・キリストがおられること』を聖書から学んで信じたことです。

 

 

「神はそのひとり子を世に遣わし、その方によって私たちに、いのちを得させてくださいました。ここに、神の愛が私たちに示されたのです。私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、なだめの供え物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです。」 (ヨハネ4:9-10)