「隣人愛=祈ること」

「平和をつくる人」著者:スティーブン・メティカフ師のことば

 

第二次世界大戦の時、中国の宣教師であったエリック・リデル師(元オリンピック陸上選手・中国の獄中で脳腫瘍のため召天)は民間人抑留者として捕らえられていました。

私も14才で抑留者として捕らえられていました。ある時バイブルクラスで1つの議論が持ち上がりました。

『自分の敵を愛しなさい。』(マタイ5:43)というイエス様の教えは、ただの理想か。

それとも現実的な教えか。という議論でした。少年たちの意見が「それは理想にちがいない。

日本兵を愛することなどできるはずがない。」という結論に傾き始めた時、エリック・リデル先生が口を開いて「僕もそう思っていました。でも、イエス様のそのことばには「迫害する者のために祈りなさい。』(マタイ5:44)という続きがあります。愛せなくても、祈ることならできるはずです。」と言われました

。それは、エリック・リデル先生が毎朝早く起きては、日本のために祈っていたからです。

またエリック・リデル先生は『人を憎む時、あなたは、あなた中心の人間になります。神様に祈る時、あなたは神様中心の人間になります。』と言いました。私が日本と日本人のために祈っても、日本兵の振る舞いは変わりませんでした。しかしその姿を見ていると『この人達は命の価値というものを知らないのだ』と理解することができるようになりました。この祈りはやがて、戦争が終った時、私が宣教師となって日本に行き、神様の愛を38年間伝えることになりました。イエス様は『平和主義者は幸いです』とおっしゃったのではありません。イエス様は『平和をつくる者は幸いです。』(マタイ5:9)とおっしゃったのです。そして『平和をつくる者』とは『祈ることによって神様との平和をつくる者』だと言うことをエリック・リデル先生から教えられたのです。エリック先生がおっしゃった『祈ることによって、神様との平和を得られます。それは自分中心から神様中心となった人のことです。このような人が、ここにも1人。あそこにも1人とふえていき地の塩となり、光となっていくことです。

祈ることは、世界に平和をもたらす具体的なことであると私は思っています。』

 

 

「イエスは言われた。『自分の隣人を愛し、自分の敵を憎め。』と言われたのを、あなたがたは聞いています。しかし、わたしはあなたがたに言います。『自分の敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい。』マタイ5:43-44