「賢いしもべ」

「賢いしもべ」

ラミちゃん(仮名)は難病で淀川キリスト教病院の小児病棟に入院して来ました。
ラミちゃんは、イエス様を信じるクリスチャンでした。入院したその日から、私は少しの時間、ラミちゃんと2人で聖書のお話しやお祈りを一緒にする時間をもつことになりました。ある時『ラミちゃんにとってイエス様ってどんなお方ですか?』と聞いてみました。すると、こう答えてくれました。
優しいイエス様』と。そしてイエス様が自分に語りかけてくださる声が分かるのだと教えてくれました。
ラミちゃんは、イエス様に背負われて今、この時を過ごしているのだと強く感じさせられる言葉でした。
そして、ラミちゃんにとって、イエス様がいつでも、どこでも、優しいお方であることがよく分かりました。
一一一日曜日、礼拝の後、ラミちゃんに会って、身体がとてもつらそうなので、『ラミちゃん、お祈りしよう。』とベッドサイドで声をかけました。すると、両手を胸の前で組み、祈りを一緒にしてくれました。そして、その日ラミちゃんは、ご家族に見守られながら、優しいイエス様の天国に旅立って行かれました。
後日、お母さんにお会いして、ラミちゃんの闘病生活を聞きました。『ラミは病気が分かると、教会に行きたいと言って、教会に行き始めました。すぐに自分の聖書がほしいと言って、聖書を購入しました。
教会学校のお友だちは、みんな新約聖書だけの聖書を使っていたそうですが、旧約聖書も新約聖書もついているものが良いといって、大人が使っている厚い聖書を購入しました。また教会ノートは、たくさんの聖書の御言葉が書き写されていました。ところどころ字が間違っていたり、字の大きさがバラバラであったりしますが、一生懸命えんぴつで書き写している姿が思い浮かびます。ラミは教会が大好きでした。教会学校キャンプやさまざまなイベントにも積極的に参加しました。一一一そして病気になって入院していた時、同室のお友だちに、イエス様のことを熱心に話していました。『イエス様のことを、お友だちに伝えることは、私のお仕事よ。』そのような中、教会はラミちゃんの病気が治るように多くの方々が祈ってくださいました。ところがラミは、人にどう思われるかを気にすることなく、ただ神様の御言葉を大切にして、大好きなイエス様のことを病室のお友だちに、お話しすることを本当に喜こんでいました。また病気である自分を、苦に思う様子がありませんでした。』とお話ししてくださいました(淀川キリスト教病院チャプレン 久保のどか牧師)
「誰でも、このような子供たちの1人を、わたし(イエスキリスト) の名ゆえに受け入れるものは、わたしを受け入れるのです。」マタイ18:5