「キリストによる赦し」

私はひとりっ子だった。だから父は私の欲しいものは何でも買ってくれた。

この世の中で私ほど甘やかされて育った子どもはいない。私はわがままだったが賢い子どもだった。

そして大人になってから銀行に勤めるようになり、一生懸命働いたので出世した。

結婚して2人の子どもも与えられた。私も結婚して数年間は良い父親、良い夫だったと思っている。

しかし悪い友だちがたくさんできた。その人たちは、私にお世辞を言って自分たちの家に私をまねいてくれた。

その人たちは賭けごとが好きで、ひどく酒を飲んだ。私は、そのような人達のすることをほめ、そのまねをするようになった。そしてだんだん酒や賭けごとにたくさん金を使うようになっていった。

とにかく家にいる時間がだんだん少なくなってきて、夜もよく酔っ払って帰ってきた。

子どもたちは私を怖がり嫌うようになった。妻は私に酒をやめてくれと、しきりに頼んだ。

そして、私のために祈ってくれていた。

しかし、どうしても酒をやめることができなかった。

酒は私をしっかり捕えて放さなかった。その時、まだ私は、自分の力よりもっと強い力があって、

それが私を酒から引き放すことができるということを知らなかった。持っていた金は、だんだん減っていった。

そして人々は私の悪い行いを噂するようになり、私は酔っぱらって道で乱暴したことがわかって銀行をやめさせられてしまった。一一一私は金が欲しくてたまらなかった。

銀行で高い地位についていたので銀行の中のことはよく知っていた。とうとう私は、金が欲しくて銀行強盗をして捕まり、長い間刑務所に入れられることになった。妻はその頃ずっと病気で寝ていた。働きすぎたうえ、子どもたちには十分食べさせてやらなければならなかったので、自分はほとんど何も食べていなかった。青い顔をして刑務所へ3会いに来てくれた。それから23週間してから私は警察官に連れられて妻に最後の別れをしに行った。妻はもう死にかかっていた。私は24時間妻の手をとってそばにすわっていた。妻は私にキリストの愛を話してくれた。イエス・キリストは罪のない方なのに、私たち罪人の身代わりとなって、神様の裁きを受けて死んでくださったこと。そして3日目に死に打ち勝ってよみがえられたこと。このことを信じる者に、永遠のいのち(天国)を与えてくださること。イエス・キリストはあわれみ深く、愛に満ちておられる方なので、私の罪も赦してくださる。今イエス・キリストは天にのぼり神の前に私たちのためにとりなしていてくださる。聖霊なる神様が信じる者と共にいてあなたの人生も必ず罪から解放されて新しい歩みをすることができると教えられた。私は妻の手をとって約束した。「イエス・キリストを信じます」

 

[罪から来る報酬は死です。しかし、神のくださる賜物は、私たちの主キリスト・イエスにある永遠のいのちです。(ローマ6:23)